清水山(きよみずさん)は地元では、「きよみっつぁん」と呼ばれて、ひときわ土地の人に親しまれている山である。
八女インターを下りて国道442号線を筑後市方面に向かう。山の井交差点を左折して、国道209号線を瀬高方面に走る。温泉の町船小屋を過ぎて矢部川を渡り、間もなくすると左手に清水山の案内板がある。左折していくつかの案内板を確認しながら走ると、「清水山荘」の看板が見え、広い駐車場がある。
歴史や文学にゆかりの深い山と云うことで、その趣をじっくり味わうことにする。先ず「本坊庭園」に着く。室町時代の終わりの頃に雪舟が作ったと言われ、愛宕山を借景として水面に映る石組みが赴き深く、ため息の出るような見事な庭園であった。石段を昇り、仁王門の手前左側に立っていた「五百羅漢」は圧巻である。釈迦の弟子たち500人の「自覚」を志す修行僧の像である。
文化文政の頃から大正年間にかけて奉納されたとある。更に昇ると右手に芭蕉の句碑があったが、念願の九州には来れずに他界したとある。『観音の夢見やりつ花のなか』
紅葉を楽しみながら工事中の石段を昇ると、古く、806年に最澄が彫ったとされる千手観音に端を発する「清水寺」本堂である。右手に回り込んで、九州随一と評され、大阪四天王寺の五重塔が手本とされた(県指定文化財の)清水三重塔(6月3日撮影)を見上げる。
いよいよ山歩きが始まる。本堂前の「撫で仏」の裏手から急坂の道を選ぶ。車道を横切ると古い看板に自然歩道の案内がある。ロープまで取り付けてある相当きつい急坂を昇ると、大観峠(大観望)と第三展望台の分かれ道になる。左手に道をとり大観峠(大観望)に辿り着く。
ここがピークで所謂清水山(330.0m)である。
眺望は素晴らしく、有明海を挟んで、雲仙や多良岳まで広がり十分に満足できる。
帰りは第三展望台に立ち寄り、再び紅葉を楽しみながら下山する。
「清水山荘」(瀬高町農林漁業体験実習館・研修センター)で入浴させて貰う。入浴料金はわずか210円だ。惜しみなく流れ出る湯船に浸り、窓越しに紅葉を眺めながら一人疲れを癒す。
期日:2001年11月20日 紹介先:みやま市役所商工観光課 0944-64-1523
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