黒岳(男池コース)


黒岳(くろたけ:1587m)は、九重山群の北東端に位置する高塚山・天狗岩・前岳などの総称で、最高峰は高塚山(1587m)である。
ブナカエデミズナライヌシデオヒョウなどの原生林が豊かに繁茂して麓から黒々と見える山容からこの”黒岳”の名前がついたと云う。

登山口は、案内書によれば男池(おいけ)・白水(しらみず)鉱泉・七里田・岳麓寺(がくろくじ)などが紹介してあるが、初心者向きでコースもわかり易い男池から試みることにした。

アプローチ:(05:40)熊本市内から「やまなみハイウエイ」(別府・一宮線)の牧ノ戸峠、長者原を過ぎて、飯田高原ドライブインの四差路を右折。田野・庄内線(県道621号線)に入り男池園地駐車場に到着。(07:40) 

期日:2004年5月27日(木)   紹介先:竹田市役所久住総合支所 0974-76-1111

          


08:05

男池入り口で清掃協力金100円を納めて遊歩道には入る。
橋を渡った所が登山口になる。(高度計:850m)

黒岳原生林

人類の影響を受けない自然のままの森林を「原生林」といいます。
原生林は、文明の発展とともに急激に姿を消し、日本でも数少なくなっています。
ブナやカエデ類を中心とする原生林に覆われた黒岳は、21世紀に残したい日本の自然100選(昭和58年1月)に選ばれた貴重な自然です。
この美しい自然を大切にして、いつまでも後世に伝えたいものです。(原文のまま)

08:09

バイケイソウの群落があちこちで見られたが、踏まれたり折られたりした姿が痛々しい。

08:11

清々しいコナラの樹林帯。
こんな素晴らしい所を毎日散歩できれば幸せだと思う。

08:27

 ツクバネソウ

08:31

登山口から30分足らずで牧柵を越えたところに「かくし水」がある。

冷たくて美味しい清水が岩間から湧き出ている。

08:38

オウギカズラ

08:53

 コバノガマズミ

 ブナの大木を見上げる。

09:01

エゾエノキカツラ、ブナなどを見上げながら急坂を辿って峠状の地点を越えて下ると、「ソババッケ」だ。

干し上がった沼の底のような平坦な凹地である。
水はけの良い湿地で、雨が降った”そば”からはけていくため名付けられたという説がある。

「ソババッケ」から見える平治岳

ガクウツギ

09:04

ソババッケから10mも行けばこの道標がある。
右に行けば大戸越(うとんごえ)・平治岳へ。

(ここまではかって平治岳へ行った時のコースである)

そのまま直進して「奥ゼリ」と呼ばれる谷間道を通って風穴・黒岳を目指す。

09:08

最初は、道も平坦で新緑で着飾った樹木や草花を楽しんで歩ける。

 クルマムグラ


08:54

 ウワバミソウ


09:10

ミツバツチグリ


09:22

やがて岩石の露出した高低のある道に変わり、木の株を越えたり、岩を乗り越えるところもあり疲れが蓄積される。

左手にはロープが見える。

09:43

通称「奥ゼリ」と云われている所。

平治岳・大戸越の道標があるが、余り踏まれていなく、最近利用されていないようである。

09:57

大小の岩の上を滑らないように、注意深く渡り歩く感じである。

土道に比較すると疲れは倍加する。

0:14 「風穴」に到着。

噴火の際に生じた岩の隙間で夏でも氷が見られる天然の冷蔵庫である。
入り口から覗くと、結構深い石の間に真っ暗な空間が見える。

左にとって、いよいよ本格的な急斜面の手強い登りに喘ぐ。ここからが黒岳の勝負どころある


10:19
小石混じりのざらざらした滑りやすい坂道。

木の根っこやロープを便りに慎重に登る。

10:29

下る時には、特にこのロープが助けてくれた。
こんな”恨めしい”坂道が延々と続く。

11:07

両側にシャクナゲの古木が見られるようになると、
天狗別れ」への道標。

天狗岩と高塚山の分岐である「天狗別れ」には行かず、ここを左にとって先ず高塚山を目指す。

11:15

 モミジイチゴ

11:20

 ミヤマキリシマ

11:25

黒岳最高峰の「高塚山:1587m」に到着。 
”我ながらよく頑張ったと思う” 
後方には、「前岳」方面の道標。

高度計:1590m
登山口との高度差:740m
登山口からの所要時間:3時間20分

山頂周辺は、ミヤマキリシマなどの灌木に覆われてとても狭い。団体客はご遠慮下さいという感じ!

デジカメする時は、岩の上からが良い。

雲に覆われた「大船山

先日、左手の頂上に苦労して登ったことを思うと懐かしく感じる。

三俣山」と「平治岳」

12:00

昼食と休憩をとって、次に眼前の「天狗岩」を目指す。

ズームで覗くと、岩石を積み重ねたような山容で手強さを感じる。

一旦「天狗分れ」に戻って、あの険しく見える頂上を目指す。

12:16

立派な真新しい道標だ。

ここが「天狗分れ」 
右へとって天狗岩へ。


12:20

マイズルソウに出会えて嬉しい。

12:25

巨岩が堆積した天狗岩の岩場が眼前に迫ってくる。

12:32

何処を見ても巨岩が道をふさぐ感じである。案内矢印に従ってロープを頼りに必死に登る!!

矢印がなければ、どの岩に登ればいいのか分からない。

12:40

天狗岩山頂。(高度計:1555m)

雨や強風でもあれば、登れるものではない。

巨岩が重なり合って、標識が立てられずにペンキで大きく標されている。

一人、達成感と満足感に浸る!!

高塚山からおよそ40分位で辿り着いたが、霞んでいるせいかずっと遠くに感じる。

12:50

折角来たのに名残尽きないが、帰途につく。
帰りの坂道は上り以上に厳しかった。

”山登りは下山にある”ことを身に染みて感じる。

16:23

男池園地の広場。

岩を抱いて大きくなった樹木を見かけることがよくあるが、その過程を考えると不思議でならない。

重心を狂わすことなく真っ直ぐに天を向いて大きくなる器用さに感嘆する。

↓途中で見かけたネジキ。まさしく良くネジレている。

男池

日本の名水百選」に選ばれている。

こんこんと地底から綺麗な清水が湧き出ている。

この湧き水を汲みに来る人もいるとか。
私たちは、自分で気付かない自然破壊をしています。それは踏み荒らしです。かって、この付近では、イチリンソウユキワリイチゲなどが美しい花を咲かせていました。訪れる人が増えるに従って姿を消し、今では踏み荒らしに強いオオバコの群落に変わりました。木道や観覧台は、踏み荒らしから自然を守るための施設です。皆様の御協力をお願いします。

バイケイソウの花が、踏まれたり折られたりしていた姿を見ただけに心が痛む。

16:30 駐車場に到着。往復8時間25分。
帰途「九州観光ホテル」の露天風呂から三俣山を見上げながら疲れを癒す。
   

番外編 3年後の同じ日 2007年5月27日 登頂の際のスナップ
高塚山山頂                       大船山をバックに

                                                  

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