白髪岳(熊本県) |
球磨郡三名山(市房山・江代山)の一つである白髪岳(1416.7m)は、九州中央山地の南端に位置し、球磨盆地の南側にあり、宮崎県に近い。 1980(昭和55)年に環境庁(現在の環境省)の自然環境保全地域に指定され、手つかずの原生林、特に南限と云われているブナは、極めて貴重なものと云う。 冬季に山頂一帯が樹氷に覆われ、白く輝いて見えることから、老人の白髪にたとえて白髪岳と呼ぶと言われるが真偽のほどは分からない。 同じような名前で五木には、白髪山(1,244m)がある。 また佐賀県には、対称的な「黒髪山」という山があり、白髪と黒髪の姉妹都市ならず”姉妹山”!!として締結されている珍しい存在でもある。 期日:2005年9月16日 紹介先:あさぎり町役場 0966-45-1111 |
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大きく横たわっている白髪岳山塊 (薬師温泉ヘルシーランド前から) |
07:58 ビハ公園の手前右手にある白髪岳への案内。ここを右折して林道夫婦岩線に入る。要所に案内板があるから安心して行ける。 人吉インターから登山口までの詳細案内 (人吉市内ではカーナビに頼りすぎて、いささか遠回りをさせられたので、初めての方にも分かりやすいように掲載) |
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08:44 登山口に到着。 「猪ノ子伏(イノコブシ)林道」を上り詰めた通行止めのゲートのある登山口。 (少し道に迷ったために、20分くらいのロスタイムか。) 09:10 スタート(標高1125m) |
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09:15 自然林に囲まれた緩やかな登り。 樹木には、こまめに名札が付けてある。恐らく自然環境保全地域に指定された前後に設置されたものであろう。 |
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09:20 この一年の仕事を終えたバイケイソウの朽ちた姿の群落。 |
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09:30 2合目「猪ノ子伏山頂」1233m 3角点のある細長い山頂は、ブナやツバキが混じる広場である。 左手には、旧登山口からのコースが見えるが、現在は使われていない。 |
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09:32 ブナの巨木には、 「水の守り神ブナ」と示されている。 |
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09:58 モミの巨木には、 「行こうか休もか気モミの木」とある!! |
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10:20 ヒメシャラの巨木も多い。 |
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10:31 バイケイソウの群落地。 枯れ朽ちてバイケイソウの面影はない。 |
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10:35 この辺り前後からブナの倒木がやたらと目に入る。 |
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10:37 右手の樹間からようやく白髪岳の山頂が見え隠れする。倒木が多い所為でもある。 |
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マイカーで行く九州100山峰(渡部智倶人著書・1986年初版発行)によると「その昔、白髪岳山系で道に迷うと、容易に里に出られないと恐れられた程、懐の深いうっ蒼とした森林に被われていたが、最近は稜線近くまで開発が延びている。・・・・自然環境の破壊は大きく、動植物の生態系の崩壊が進んでいる」と記されている。すでに20年ほど前から危惧されていたことが現実になっている。 | |
10:51 「三池神社」 安産と雨乞いの神様が祀ってある。 これだけ枯れ朽ちた樹木の姿を見せつけられると、神様は頼りないのかとも思う。 いや、温暖化や酸性雨をもたらした人類の所為であることは明白だ。 このまま地球は荒廃を続けて、取り返しのつかないしっぺかえしを受けるのであろうか。 |
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11:20 2時間10分で1等3角点のある山頂に到着。高度差290mの楽なハイキングコースであった。 |
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およそ50坪位の山頂広場は、白骨化した樹林や枯れたスズタケが目につき、原生林の面影はない。 山頂にたどり着いて、感激すら覚えずにこんな侘びしい思いをしたのは初めてである。 自然の掟の厳しさを思い知らされた。 |
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姉妹山締結記念プレート(有田焼) 黒髪山・白髪岳姉妹山調印記念 1992年4月5日 「私たちは豊かな自然を次代の人々に豊かな自然のままで残すための姉妹山の交流を続けます」 佐賀県有田町 黒髪山を守る会 熊本県上 村 白髪岳を守る会 (読んでみてなおさら侘びしさを噛みしめる) |
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山中での数少ない彩り。 「ミヤマシキミ」の実 「マムシグサ」 |
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「テンニンソウ」 近寄って見ると天人のように美しい花の意味からこの名が付いたと云う。 コブシの果実 |
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12時過ぎに山頂を離れ13時55分登山口に到着。帰途薬師温泉ヘルシーランドで汗を流す。 | |
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